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韓国で急発進事故における異例の無罪判決

みなさんこんにちはこんばんは。
私には習慣で交通事故に関するニュースを見る癖があるのですが、こんなニュースが目に飛び込んできましたので、みなさんとも共有してみたいと思います。



こちら韓国での出来事なので、また日本の法律とは若干違うのですが、かなり珍しいケースなので取り上げてみます。


もともとは急発進による交通死亡事故にてA氏が起訴され、刑事裁判が行われていました。
罪名は、「交通事故処理特例法上の致死容疑」だそうですね。
日本にはない韓国の法律です。
詳しくは↓



当時のドライブレコーダーの映像によると、A氏が運転していた韓国生産の乗用車が、時速10キロで右折する途中で突然加速。駐車精算機の遮断棒に衝突後、歩道に上がって植木鉢にぶつかり、最終的には人にぶつかる事故を起こした姿が映されているそうです。


交通事故の分析によると、加速前の自動車の速度は10キロ程度。
駐車精算機の遮断棒に衝突する前から速度が上がり、人にぶつかるまでに37キロ→68キロにまで速度が上がった後にガードに当たるなどして速度低下、加速開始から人にぶつかるまでの時間はわずか13秒だったとのこと。


様々な衝突を起こす中で、13秒もの間、アクセルを踏み続けるのはおかしい、自動車の欠陥を疑うのに十分だと、判事は判断したそうです。


韓国では、これまで急発進推定事故で運転者の無罪が言い渡された事例は、過去にわずか1~2件程度しかなく、非常にめずらしい判例となりました。


また、今回の交通事故については、機械的欠陥を疑うだけの証拠も多かったそうで、これらがすべてかみ合い、無罪宣告が下されたのだろうとのこと。


今回の判決は、他の裁判へ影響を与える可能性もありそうですね。


この13年間、急発進の疑い事故は766件あったが、車の欠陥が認められた事例は1件もなかったそう。それもそのはず、車の欠陥を証明する責任がメーカーではなく消費者にあるというのが、さらにハードルを上げているんでしょうね。


お隣の国の事件で、対象となった車も日本のメーカーのものではありませんが、日本でも同じような事例が起こってもおかしくはないですね。


日本車は安全性に優れているとのことなので、大丈夫だとは思いますが。。
昨今の日本の景気の落ち込み具合を見ていると、不安も感じてしまうところです。


というわけで本日はこの辺で終わります。
ではまた~。