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バス横転炎上事故 死亡の運転手を送検

昨年の8月に名古屋で起きた、バスが横転し、炎上した事故について、警察は半年ほどかけて事故の原因を調べてきたものの、特定することができなかったそうですね。


3/10、こちらのニュースについてです。


事故状況としては、名古屋高速道路にて、県営名古屋空港に向かっていたバスが分離帯に衝突して横転・炎上し、乗客の男性と運転手の2名が死亡、7人が怪我をしたそうです。


この事故で警察は、死亡した運転手を、過失運転致死傷の疑いで書類送検しました。


みなさんどうでしょう?
なにか違和感ある方っていますかね?



すでに亡くなっている方を、書類送検することに意味ってあるのかな?って。



たまーにニュースなんかでも見かけることはありますが、死亡しているにもかかわらず書類送検される理由ってなんだろう…なんて感じませんかね?


そもそも裁判っていうのは、亡くなった方に対して判決を下すことはありません。
たとえば、裁判の途中で被告人が死亡すると、公訴棄却といって裁判は打ち切られます。
これは刑事訴訟法で決められてますね。
ということは、亡くなっている方が書類送検されても、必ず不起訴になるということ。


ただ、書類送検する警察側には、事件を不起訴にする権限はありません。
不起訴にする権限を持っているのは検察官になるため、なんの権限も持っていない警察側は書類送検するしかないってことですね。
なので、今回のように、死亡した運転手を書類送検しているわけです。


では、必ず不起訴になるって決まっているのに、書類送検を受けた検察は何をするのか?


検察官には、事件の捜査が適切なものであったかどうかを監督する権限があるため、たとえ今回のように運転手(被疑者)が死亡してしまっていたとしても、しっかりとチェックしないといけないわけなんですね。


適当に捜査したらあかんよ!ってことです。


今回の書類送検を受けて、亡くなられた方のご家族は、「同様の事故が起きないようにしっかり原因究明してほしい」とコメントしているそうです。


そんな中、名古屋北労働基準監督署は、亡くなった運転手の方が勤めていたバス会社に対して、数名の従業員に違法な時間外労働をさせていた疑い、要は労働基準法違反の疑いがあるとして書類送検したそうです。


うーん、、
過労による居眠りとかだったんですかねー。


真相はわかりませんが、ドライバーさんはしっかり睡眠とって、健康な状態で運転するようにしましょうね。


それでは今回はこのへんで!